【完】甘いカラダ苦いココロ

 ピピピピ……。

 聞きなれないアラームが頭上で響く。起きたら朝。隣は空。精算済みになってるルーム料金。

 軽く頭がパニクった。

――え!? 何にも言わずに帰ったわけ!?

 今まで一度も経験したことなかった仕打ちだった。俺の周りにいる女たちはみんな俺を見せびらかしたがった。セックスしたらすぐに自分のもの気取り。しばらくは俺にべったり貼り付いて剥がれない。それからは当分好き勝手愛だの恋だの騒いでる。当の本人は蚊帳の外だ。

 しばらく騒いだらどちらともなく別れるか、ヒステリックに怒りながら去っていく。

 だけど今回はどれにも当てはまらない、だろ?



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