【完】甘いカラダ苦いココロ

「ふぅ……」 

 久しぶりで突然の合コンになんだか疲れてトイレの鏡の前で一息ついた。どうしても合コンの空気には慣れない。

「あ、沙耶さん、お疲れです」

 隣のお店の女の子もトイレに入って来た。

「沙耶さん山内さんといい感じですね! いいなぁ」
 
「え!? 全然!! まだ二人でほとんど話してないし」

「でも沙耶さん気に入られてますよね。ずっと沙耶さんばっかり見てるし、山内さんあのメンバーの中でも超かっこいいし、うらやましい〜」

 気のせいだよ。というと、沙耶さん鈍い絶対沙耶さん狙いですよ! と口を膨らませ怒られた。

 トイレから戻ると私の席の隣には誰も居なかった。周りを見回すと席順もバラバラに変わってる。もう、自由に座っていいらしい。

「隣、いい?」

 見上げると山内さんが立っていた。トイレでも言われたせいで余計意識してしまう。

「あ、はい、どうぞ……」

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