†プティットゥ・ミニョン・アムール† 小さな可愛い愛
椿はいつもは赤くなんてない顔を
少し赤く染めると、
ほら!早く行くよ。もう家じゃない。
そう言って50mほど先にある我が家に向かって走っていった。
椿を追って家の中に入ると、
椿がリビングのドアのところで固まっていた。
どうしたんだろう?
椿の脇からヒョコッと顔を出してリビングを見て―
固まってしまった。
そこには、いそいそと荷造りしているパパとママの姿。
傍らにはフランスと大きく書いてあるガイドブック。
あぁ。
2人が何を考えているのか分かってしまった。
当たってないといいけど。
ママがふと私達に気づいて
あら、
と言った。
「お帰り。
2人とも出発明明後日でしょ?
パパとママ、観光も兼ねて同じ便で一緒に行くことにしたの。
1週間くらい。」
あぁ。
当たっちゃった。