夕陽の向う
4-5

元の、痛み止めのモルヒネの量が増えた。

痛み止めが聞いている間は、体調良好のようで、ブログの更新をしたりしている。

でも、呼吸が苦しくなることが増えてきた。

しゃべる時間も短くなっていく。


睦子は、どうにもできない自分が歯がゆいと思う。

『ブログよりも、自分の命を少しでも長くすることを考えればいいのに。』

でも、そう言っても、元は違うと言うだろう。

元は、少しでも多く、『団子』を作っておきたいのだ。

こんなとき、睦子にはどうしようもないのだということも、冷静な気持ちでは理解できる。

ただ、元に、少しでも楽な気持ちで、幸せな気持ちでいて欲しいと思う。


救急車で運ばれて、2週間後に、ホスピスの先生から、

「危ないので、泊り込んでほしい」

といわれた。


それから、泊り込むことになったのだが、その時はまだしゃべることができた。

それから、どんどん息が苦しくなり、しゃべるために喉の筒を手で閉じて、声帯に空気を送ることができなくなってきた。

睦子の問いかけに、元は『お絵かきボード』に文字を書いて答えるようになった。
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