忠臣蔵外伝 〜元禄恋物語〜








「お前の仕事は、お艷殿に近づき偽りの恋人関係となり、お艷殿から吉良邸の絵図面を持って来るように仕向けるのがお前の仕事なのだ」






今、何と‥‥。



「拙者にそのような事、出来ようはずも御座いませぬ」


「何を申しておる。お前程の美男子であれば、出来ぬ事ではなかろう。それに、お艷殿もどうやらお前の事を好いておるようだ。それほど無理な事ではなかろう。亡くなられた御殿様もさぞ、喜ぶ事であろう」






殿‥‥。



お艷殿を騙す事は出来る訳もない。

だが、殿の仇討ちの為ならば、手段を選ばざるを得ない。

今、少しの時間でも惜しまれる‥‥。








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