REAL HOPE Ⅰ



「ぶさいくだな。」



「うっさい!!」



泣き終えた私の真っ赤に腫れた目を見たレツか少しだけ笑った。



レツが笑ったのを見たのは初めてかもしれない


笑わない奴だと思ったこの男も少しは笑えるらしい


まぁ少し口角が上がっただけだけど


レアすぎるその顔に何故か私の胸はドクンっとはねあがっていて


いまだに近い距離で抱き締められていた私はグイっとレツの胸を押した。


レツは何も聞かない

私が何故泣き出したのか


普通の馬鹿なら、きっとこわい夢でも見て泣いてたんだろうなとか思うかもしれないけど


きっとレツは気づいている



私の涙には意味があるということに…、



だから私も何も言えなかった。

変にごまかして問い詰められたら困るから



誰にも言いたくないから…





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