REAL HOPE Ⅰ



「頬っぺた少し赤くなってるね。」



アズサさんが心配そうに私の頬をにっと触れた



「ったく、あの馬鹿女」



綺麗な足をくみながらイライラしたように声を漏らしている



アズサさんはあの女がレツの彼女だって知っているんだろうか。



いつもは倉庫の中で止まる車だけど、今日はシャッターの前で止められて

中はすごい人であふれているのが見えた。



「あの…今日何かあるんですか?」




「あれ、聞いてなかった?今日は風神創立日集会なの」



……創立日集会



風神が作られた日って事?



倉庫に入ると、見慣れた顔も知らない顔も

アズサさんと私に頭を下げる。


アズサさんは慣れたようにあの階段を上ると、乱暴にドアを開けた。




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