REAL HOPE Ⅰ
レツは私が乗っているからだろう、スピードを少しゆるめに走ってくれた。
皆もそれに合わせてくれて、夜中の誰もいない道路は風神の貸し切り状態になっていた。
1時間ほど走って
ほのかに届いた潮の香り
ザザーンッと砂と海水が擦れる少し低い音
海岸線に出たのが分かった。
「うぇーい!!」
「海だあぁー!!!」
メンバーはツカサを先頭にどんどんスピードを上げだして、海沿いの駐車場に着いたのは
安全運転なレツと私が最後だった。
皆はすでに砂浜に下りていて、私も下りようと思ったけど
レツが砂浜に行く途中の階段に座ったから、私もその隣に腰をかけた