REAL HOPE Ⅰ



「……だから、」私がそう言い終える前に


私はすでにレツの胸の中にすっぽりと抱き締められていて




「あいつ、俺のイトコなんだ。あぁ見えてまだ中一」



へ? イトコ…中学一年…


あんな大人っぽいのに中学生



私がポカーンとしているとレツは言葉を続けた。



「わりぃ、ガキだし親戚だし別に何の考えもなく乗せた。約束を忘れてたわけじゃねぇ」




そうだったんだ…

私のズキズキしていたわだかまりは、重い鎖がほどけたみたいに緩くなったのを感じる




「…良かった」そう小さく呟いた私に


レツは小さく笑うと




「なぁお前気付いてんのか?俺がここまで必死になる理由」






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