REAL HOPE Ⅰ



雨はさっきよりも小雨になっていて、だけど降りしきる水が冷たい。



レツの言葉だけが私の頭をこだましている…



私の瞳からは再び涙が流れていた。





本当は気付いていたのかもしれない。レツと出会った時に生まれたこの感情に



だけど傷付くのが怖くて、いつかいらないと言われてしまう気がして…



「……もし嫌だと言っても、俺はお前を逃がす気はねぇ」



何も話さない私にレツが少し強くそう言った



皮膚は寒いのに
レツが私に触れている部分はすごく熱い






「……私もレツが好き。」





気が付いた時には私はそう口にしていた。



もう傷付いたって良いと思った


きっとどんな事があっても大丈夫な気がした



レツとなら………





きっと前に進めると思うから。





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