REAL HOPE Ⅰ
「風邪引くから家ん中入れ。」
ギュッと背中に回していた腕をレツがゆるめた。
雨はやむ気配がなくて、凄く寒い。
だけど…
「離れたくない。」
もう一人じゃないと分かっていても、今日はこの腕を離したくなかった。
「………」
「……じゃあ家来るか?」
レツは何か察したんだろう、今は離れたくないと思っている私に。
離したらレツは何処かへ行ってしまうんじゃないかと不安に思っている私に