REAL HOPE Ⅰ



「おいおい、そこらへんにしとけって」長い沈黙を破ったのはツカサ



私とレツの間に挟まれているツカサは相当気まずいだろう…


私はソファーの横に置いてあるスクールバックが視界に入ったのを合図に携帯をぶっこんで

そのまま部屋を出た。



いつも私は逃げる…


自分が嫌だと思ったら

たえられないと思ったら。



それは私が弱い人間だからじゃない。ずるい人間だからって分かってる


人を簡単に信じないくせに、人を試そうとするそんな人間だ


「おい。」



レツがこうやって追いかけてくるって分かっているから…逃げ出したって来てくれると知っているから



だから私は逃げる事ができる。





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