REAL HOPE Ⅰ
「おい」
足を止めなかった事にイラだったのか、二度目に声をかけたのと同時に私の腕を引っ張った。
「勝手に帰ろうとしてんじゃねーぞ」
言いたい事も言えず、くだらない八つ当たりをしている私をレツはどう思っているのだろう
面倒くさい奴だと思ってるのだろうか
「離して」
こんな私を追い掛けてくる優しいレツ
私の思いと言葉はどこまで矛盾したら気がすむのだろう
「離してってば!!」思いきり叩いた腕は、そう簡単には離れなかった
倉庫中の風神メンバーば私とレツをチロチロと気にしながらも、見ないようにしているのが分かる
「何が不満なんだ」
「別になにも不満なんてない」
そう。不満なんじゃない
ただの私のワガママだって分かってる
「じゃあ何でそんな顔してんだ」
「別に」
今レツを見たら泣いてしまいそうだ。まばたきをしたらきっと涙が落ちてしまう…
それだけは避けたい。