REAL HOPE Ⅰ
私はレツが飛び出した窓から体を乗り出して前を見た。
私の視線の先にはすでに二人はいなくて、
「ジュンちゃん落っこちるぞ。」
総ちゃんの声ですとんと座って窓を閉めた。
逆送していた車はそのまままたユータンすると、たくさんのバイクや車達と同じ方向に走りだした。
「ねぇ総ちゃん!何でレツ達あっち行ったの!?あんなの警察に捕まるようなものじゃん!!」
運転席の後ろを少し叩きながら大きな声を出した。
「ジュンちゃん知らないの!?風神が有名な一番の理由、ただ強いからってだけじゃないんだよ。」
何それ…
強いだけじゃない?
ぽかーんとしていた私に総ちゃんはクスっと笑うと
「まぁ逆送していったメンバーなら大丈夫だよ。あいつらの専門だから、それにレツさん逹がいるしね」
レツ逹がいると平気なの?
だいたいあいつが一番キケンそうだけど!
何にもしてなくても捕まりそうなオーラだしてるけど!
私は眉をひそめると深く座った。