REAL HOPE Ⅰ



再び車に戻された私はハルマに街には行かないようにとこっぴどく怒られた。


だからあんな無関心なレツがわざわざストーカーをしたのはハルマに言われたからだと気が付いた




「何かジュンちゃん本当心配なんだけど。」



そうぼそりと呟いたハルマは、しばらくアゴに手を置いてから何か思い付いたかのように喋り出した。




「これから毎日学校終わったら風神の溜まり場に来な」




「は!?」


いきなり何を言い出すのこの人は…




「何か部活とかバイトある?」



「いや…ないけどさ」




だからって何でそうなるわけ



「あんなふうに夜中街に行かれたら心配だし」



きっとハルマは気を使っている。何らかの理由で家に帰りたくない私に居場所をあたえようとしてくれている。




「なぁ、レツいいよな?」

あの日のようにハルマはレツに聞くと



「あぁ、」




あの時とは違ってレツは素直に返事をした。








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