REAL HOPE Ⅰ




オレンジジュースを飲む私の隣でビールを流し込むツカサ




他愛もない会話をしているといきなり彼の携帯がブブブと音をあげた。



「なんだ。」


携帯を耳に当てたツカサは私としゃべっていた時とは違う声を出す


これはいつもの事



よく鳴るツカサの携帯は
一体誰からの連絡なのかなんて私には分からない


でももし彼女だとしたらコイツの態度が最低だって事は分かるけど



「あぁ、わかった」



すばやく携帯を切ったツカサは私に顔を向けるとさっきより優しい声色で




「ジュン俺帰るわ。」




「うん、わかった」



唐揚げを頬張りながら手を振る私にツカサは




「またな」


これは彼の口癖なのかも知れない


また会う保証なんてないのに優しく言うツカサの『またな』



それが意外と嫌いじゃない私は、


人と関わりたくないと思っている心の中の矛盾なのだろうか



結局は関わりを求めているという事なのか…




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