REAL HOPE Ⅰ



「じゃあジュンちゃんまた明日。」



「うん、また明日」



ハルマは助手席の窓から顔を覗かせると笑顔で手をふって

私が、玄関のドアを閉めたのを確認すると

ブーンっと車が発車した音が玄関の中にいた私にも聞こえた。



私はわざと扉をそっとしめる、一ミリも音が立たないように


私が今帰ってきたんだよと知らせないようにするために。



でもこの日は凄く運が悪かった


悪すぎて呆れるほどに…


ジャーっという音を立てて、玄関近くの右側のドアが開く


私はその瞬間ヤバイ!っと思ったけど、そんなのどうする事も出来なくて



「あら、あなた帰ってきたの?」



その義理母の嫌味を下唇を噛み締めながら聞くしかできなかった




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