REAL HOPE Ⅰ



「じゃあ何でいるの?」


私は自分の事から話題を遠ざけようと「なんで何で」とレツに連合した


するとレツは呆れたようにチッと短い舌打ちをして


「家帰る途中だ。」


ふ~ん、家帰る途中なのね。てかそれぐらい言うのためらう必要なくない?


一回聞いた時点で答えればいいじゃん


「てか家この辺なんだ?」


「あぁ」



多分私の家から歩いて20分ぐらいのその場所、レツと意外に家が近かった事に驚いた。



ブツブツとそんなどうでも良いことを呟いていたけど、やっぱりレツはそこまで馬鹿じゃなくて誤魔化せていなかったらしい。




「なんでお前はここにいんだ、」



レツの声が冷たい10月の空に静かに響いた




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