REAL HOPE Ⅰ
あったかい場所
家の中は玄関からすでに広くて、
「おじゃまします…。」
夜中って事もあって、少し小さめに声をだす。
お母様はパジャマ姿で、こんな時間に家に上がり込んだりして、凄く申し訳なく思った。
レツはさっさと足をすすめると、廊下を歩きだして
ガラス張りの一つの扉を開けた。
次の瞬間、
「おせーよッ!!」
って声が中から聞こえてきて、これはきっとさっきの電話の相手
「うるせぇな。」
レツはずかずかとリビングに入ると、乱暴に高そうなテーブルの上にコンビニ袋を置いた。
私は後ろからリビングに足を踏み入れる
視線をぐるっと部屋中一周させて、再び戻すと
ふかふかした白いソファーの上で、綺麗な女の人がポカーンとこっちを見ているのに気が付た
「あ、おじゃまします」
私がペコッとちょっと頭を下げると
女の人は、ポカーンっとしていた顔を次は驚きに変えて、「まぢ!?」と言いながらニヤニヤと笑いだした。