夏の夢・夏の香り・私のトナリ
「あら、私の船を拾ってくれたのは貴方ね?」

「船…?これが?」


「申し遅れましたね、私の名前はメルメル」小さな女の子は、ペコリと頭を下げた。

「あ…どうも…瀬尾真琴です」
俺も、つられて頭を下げる。

「マコト…?良い名前ね…」
クスリと微笑んだ、メルメル。


「ところで…君は何者だ?」
恐る恐る、俺は聞いた。


メルメルは、クリクリとした大きな目を動かしながら答えてくれる。

「…マール星から来たの、まぁ…簡単に言うと宇宙人ね、私は…この宇宙船に乗って自分の星へ帰る途中だったんだけど…猫に追いかけられて、故障してしまったわ…しばらく時間がかかりそうね」


説明を終えると、ふう…と溜め息を吐いて、メルメルは言った。

「悪いけど、宇宙船が直るまで此処に置いもらいたいんだけど…迷惑かしら?」

「別に迷惑じゃないぜ」

「ありがとう…マコト」


ニッコリ微笑んだメルメルに少しだけ、可愛いな…と思った真琴だった…。
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