君と出会えて
『あのねー今どこにいる?』

『ユース…だけど?』


『また隼人そこにいるのー?

好きだね…ユース』


『当たり前だっ!金のない学生にはもってこいだからな』


『彼女と一緒にー?』

未来が笑っているところを見ると、冗談で言っているのかもしれないが



もし、未来が俺に少しでも気があるなら未来の性格からして、絶対に「彼女」

などという言葉は本人に対して言わない…



やっぱり未来にとって俺は…





ただの幼なじみか




『隼人?』


『あっごめんごめん…

彼女となわけないだろ

クラスの連れとだよ』


それに…俺はお前が好きだから、彼女なんてつくんねーよ



心の中だけでしかそんなことを言えない俺が、とても情けなかった


『なんだっ!
まぁ隼人に彼女がいないのはあたしが一番、よく知ってるからねー』



『うるせー』


『なんか用もないのに電話しちゃってごめんね

友達待ってるでしょ』



そういう未来は、何かとても俺に言いたげな口ぶりだった


『ほんとは用がないなんて嘘だろ』


俺はいつの間にかこんなことを口走っていた



『うーん…ほんとはね

けど、急がないからまた明日話すね』



『わかった…』

いい話だろうか…悪い話だろうか…

俺はとても気になったが、無理矢理聞き出すようなことはしたくなかったので、とりあえず明日まで待つことにした



『じゃあまたねー』


『おぅ』



携帯を閉じて制服のズボンの後ろポケットへ無造作にほうり込むと、はぁ……とため息を着いて



秀平とお金がない龍の待っている場所へと向かった

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