君と出会えて
時計を見ると、既に時間は夜の8時を回っていた。


(久々に…行ってみるか)

そう思った俺は、マンションの俺の家の階とは別のところで下りた


ピーンポーン

ガチャ
「はぁい…って隼人じゃん」

「よっ、遊びに来た」


「相変わらず非常識なんだから」

そういいながらも、未来は必ず俺を家の中に入れてくれるんだ



ガキの頃から未来の家によく通っていた俺は、中学・高校生になった今でも時々遊びに行っていた


中学生の頃、未来に彼氏が出来たとき、彼氏に気を使って学校でもあまり話さなくなった



けど、未来と俺が幼なじみだっていう関係がなくなって、普通の友達に戻るのが嫌だった俺は、こうして未来の家に行くことで、自分自身に俺が未来にとって特別なんだと言い聞かせていた



しばらくして未来とその彼氏が別れても、俺は未来の家にいつも通りときどき遊びに行っていた



2人っきりのときは緊張し過ぎて、正直心臓がこのまま壊れてしまうんじゃないかって思うくらい、
鼓動が早かった



けど、未来とはなしているとき、過ごしているとき…

その一瞬一瞬が俺にとっての宝物なんだ


だから、今もこうして通い続ける…



本当の宝物を探すために
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