君と出会えて
未来の家へと上がった俺は、おじゃましますと一声かけて、まるでここが我が家じゃないかと思うくらい、当たり前のように未来の部屋へと向かった


相変わらず整頓されている見慣れた未来の部屋


俺の特等席はこのベッド



ベッドに座るのには特に深い意味はない


ただガキの頃からこのベッドに俺は座り続けているんだ



「なんか飲むー?」

「あっ俺お茶」

「はいはーい」

俺が未来の家に行くと、未来は決まっていつも俺になんか飲むー?って言うんだ



俺はこの感じが堪らなく好きなんだ

家族同士仲が良い俺達は、未来の家族達とも割合よく話していた


「はいっ、お茶
麦茶だけど…」

「おっサンキユー」


そういうと、俺は麦茶を一口ゴクリと飲んだ


未来と二人っきり…

俺はこの感じにはぜんぜん慣れないんだ。


今だに心臓がバクバクするんだ


未来はどう思っているんだろう…?

そう思った俺はチラリと未来のほうを見た


いつものことながら、未来は特に緊張している様子も、なさそうだった。


あまりにも俺の視線が未来に行き過ぎていたのか、未来と俺の目がぶつかった


どきっ

俺の心臓は今にも破裂しそうだった

「何?あたしの顔になんかついてる?」


「いっいや、別に」


その時俺は、昼間未来からかかってきた電話のことを思い出した


「あっそういやさー昼間俺に電話して来たとき、なんか話したいことあるって言ってなかったか?」

「うっうん…覚えてたんだー」



「今話せよ!今日も明日も一緒だろ?」


そんなことを言いながらも、俺の中は不安と期待でいっぱいだった!


しかし、その期待も未来の次の言葉で簡単に打ち砕かれた


未来は少し視線を下げて頬を少し赤らめながら話始めた








「あたし…



彼氏出来たんだ」


えっ?

俺は今未来が言ったことがよく理解できなかった


たぶん…今の俺の顔…ずいぶんマヌケな顔してるだろうなー
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