君と出会えて

そんなことを考えていると、左隣りから声が聞こえて来た


どうやら電話をしているようだった


『はぁ意味わかんねーよ
なんで電話でそんなことゆーんだよ！
会って直接話せばいいだろ…』



怒っているような口調だった…
でも、静かな声でどこか悲しそうだった


「ねぇ、未来…隣の子喧嘩してるのかな？」



「わかんないっ！
そうなの…かな？」


そういってあたしは電話している女の子の声に耳をかたむけた



『もういい…ばいばい』



どうやら電話は終わったようだった


と同時にあたし達のほうを向き、何か言いたげだった



あたしのからだは少しﾋﾞｸｯとなったけれど、



あの女の子のあんな悲しそうな顔をみたら、目を反らすことが出来なかった



あたしは盗み聞きしたことを怒られると思ったけど、


次に彼女から出た言葉は、予想外だった



「ごめんねーなんか変なとこ見せちゃって…

入学早々失敗したな」


彼女は怒るどころか、あたしたちに謝って来た


そんな彼女を見てあたしは、


友達になりたい

そう思ったんだ


「ううん、あたしたち全然気にしてないよ」



先に口を開いたのは秋葉だった


それに続くようにあたしも言葉を続けた



「うん！気にしてないよ」


「よかったーあたし、いきなりあんな乱暴な言葉遣いしたから、
みんな引いちゃうんじゃないかと思った…


あっあたし、ななっていうんだ！よろしくねー」