メイド服に身を包み。


家に帰ると美和が端の方に座ってうつむいていた。


その小さな体で悲しみを受け止めているのかと思うと切ない。


あたしは体ごと美和を抱きしめた。


「おねえちゃん・・・。おかえりなさい」

「美和、話さなきゃいけないことがあるの」

「なあに?」


美和はもう何が話されるのか分かったようで悲しげな表情を見せる。


「ここをね。離れることになったの」

「っ!!」

悲しそうな顔がなおゆがんだ。


そうだよ、これは悲しいお別れ。

でも、もう逃れられないことなの。


顔をゆがませた美和は泣きながら言葉を紡ぐ。


「わたしねっ!!
ここをはなれること、なんとなくわかってたの。


だけどかなしくて、かなしくて、ゆめならいいのにっていつもおもってた。


だけど、ほんとうにおわかれなんだねっ、

バイバイしないといけないんだね」


いつもは笑い声の絶えない部屋は、今日だけ2人の泣き声に包まれていた。









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