メイド服に身を包み。
涙がひいて落ち着いたあと、今までの感謝をこめて家を掃除した。
2人で掃除をしていると今までの記憶がよみがえってまた涙が止まらなくなって・・・。
この柱で親子3人で背比べをした。
お風呂が長かったお母さんといつも順番でもめた。
家に帰るとキッチンでお母さんと美和が料理をしながら「おかえりなさい」と迎えてくれた。
あの暖かいものは当たり前のものじゃなかった。あたしは幸せな子だったんだ。
思い出と悲しみが入り混じる中、大家さんには明日ここを出て行くと伝えた。
あたしたちの生活が少しでも楽になるようにと、家具は売ってお金にしてくれるという。
その気遣いはとてもありがたい。
大家さんはこれからのことは一切聞いてこなかった。でも大丈夫。あたしたち姉妹は強く生きていくんだから。
家に帰って荷物をまとめると、案外ほんとうに必要なもの歯少なくて、旅行用のバック一つですんだ。
なんとなくさびしいね、と2人で話した。
美和にはこれから住むところの話をした。
何でも美和はその豪邸のことを知っていて憧れだったらしいのでうれしいらしい。