中途半端なオトコマエ!
その日はアルバイトを5時で終え、いったんアパートに帰って弁当を食べた。

消費期限が切れて、廃棄する弁当をもらって帰った。

本当は、店の規則で、そういうことは禁止されているのだが、オレの悲しい懐事情を知った店長は、見て見ぬふりをしてくれる。

有り難い。いつか恩を返したい。

オレが一流の歌手になったら、きっとこのコンビニ店内でライブを開きますから。

と、言ったこともあったが、店長はふんと鼻で笑ったっけ。


まあいいか。

これから、路上で歌う。

顔を洗って、服を着替える。

服は、Tシャツにジーンズ。チェックのシャツを羽織る。

アクセサリーはつけず、素朴な学生風。

いざ、出陣だ。ストリートという戦場へ。

命を落とすことはないけれども、傷を受けることがある。(心に)

ストリートでは今日も残酷な戦が繰り広げられている。



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