中途半端なオトコマエ!
「どうしたの? こんなところで」

「あたしの家がすぐそこ。買い物に出るにも、この公園の中を通ると近道」

家がすぐそこ? 

不思議だ。

アルバイトをしているのと同じコンビニのチェーン店が、公園のすぐ側にある。

「近くの店でバイトすればいいじゃない?なんで、わざわざ、遠い店に行くの?」

「うーん。それは……」

美沙は、口籠もった。

「ねえ、何か、飲みましょう。あたしがおごる」

美沙は、公園の中の休憩コーナーを指さした。

自動販売機が置いてあるようだ。

さすがに地元の人間だけあって、よく知っている。


「はい」

「どーも……」

美沙のくれたコーラを一口飲んだ。

歌ってのどが渇いているから、美味しい。


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