中途半端なオトコマエ!
オレは、そのまま、ルミのマンションについて行った。

以前、オレが入り浸っていたものとは違うマンションに引っ越していた。

さすがに、売れっ子のホステスのマンション。

ドアのつくりからして、オレの安アパートとは違う。


「靴を脱いで、靴箱に入れてちょうだい」

言われえるままに、靴を玄関の靴箱に納め、ルミの部屋に入った。


たぶん、ヨーロッパ製だろう、シンプル・モダンな家具類。

高そうなブランドの化粧品が並んでいる。

ルミが、お酒を持ってきた。

「とおるちゃん、今夜とまってく?」

返事をする代わりに手首にキスする。

そのとき。

ドアのカギが開けられる音がした。続いて、チェーンが引っぱられる音。

「おーい。いるか?」

野太い男の声。


< 42 / 70 >

この作品をシェア

pagetop