中途半端なオトコマエ!
オレは、ぎょえとかおうぇとか叫びながら、階段の踊り場までころがり落ちてしまった。

気づくと、踊り場で仰向けになっているオレを、ルミと美沙は驚いて見下ろしていた。

「大丈夫?」

「血が出てる」


オレは、恥ずかしさと痛さで真っ赤になりながら、部屋に戻ってきた。


美沙が濡れたタオルで、額から出る血を拭いてくれた。

「傷は浅いみたいですよ。骨も、自分で歩けたし、大丈夫と思うけど……」

勝手に冷蔵庫からジュースを出して飲んでいたルミが感心したように言った。

「いい手つきね。看護師さん?」

「いいえ、獣医の卵の卵の卵みたいなもんです」

「獣医さんの? あ、それで『ケモダノ』の世話がうまいんだ」

「だれが、ケダモノだよ」

痛さに顔をしかめながら、おれはうめくように言った。





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