短編集
あたしがほうきとちりとりを持って、割れたグラスの元へとむかうと、彼達はまだその場にいた



「俺らも手伝うよ」

そうあたしに声をかけて来たのは、例の彼…



ではなく、その友達だった



「大丈夫ですよ」

手伝ってもらいたいのは山々だったけど、やっぱりここは手伝ってもらってはいけないような気がして、一応断った



あたしが片付けている間も彼等はそばから離れようとせず、あたしに話しかけていた



また、話しかけているのは友達の方ばかりで彼はずっと俯いて座ったままだった




「今日って何時までバイトやってんの?」


彼とは違い馴れ馴れしい言葉遣い…

まぁあたしは全然いいけど


「今日わあ…9時ぐらいまでですかね」



「そっか…頑張れよー

って涼もなんか話せよ」


「あっおう…」


涼…例の彼の名前かな?

なぜかわからないけれど、ふっとあたしの顔が緩んだ



あかりは、お客さんが来たようで接客をしている


そして涼と呼ばれる彼の友達は、ずっと話続けている…





なんだろ………

この気まずさ
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