短編集
「今…高1だよな?

大人っぽいな」


「ほんとですか?ありがとうございます」



「あっ別に俺に対しても敬語じゃなくていいから」


「はいっ………じゃなくてうん」

「ハハハハハ」


そんなあたしを見て彼は笑っていた


笑ったら垂れ下がる目尻…



彼の笑顔は、ほんとうにあたしにはまぶしかった




ぼーっと見ていると

「ん?なんかついてる?」


えっ

「あっああ何にもないです」



気がつけばもう家の近くまで来ていた


「あの…家ここなんで

今日はありがとうございました」


「いえいえ…じゃあまたな」


そういって彼は帰って行った



その日から、彼は週に1回あたしの店に来たときは外であたしの帰りを待っていてくれて、


家まで送ってくれた



そのときにたくさん話をした

あたしはますます彼のことを好きになっていった



ただひとつだけ気になっていることがあった


なぜあの日、あたしに話しかけて来たのか…


こうやってあたしがバイト終わるのを待っていてくれるのか



あたしが彼をどんどん好きになっていくたびに、


どんどんあたしの中で疑問になっていった


そんなあたし達の関係が1ヶ月ぐらいたった頃だった



週に1回は必ず店に来ていた彼が全く来なくなったのは…


あたしはすごくすごく悲しくて…いつしかあたしは店の外で彼を待つようになった



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