短編集
「勝手なことばっか言ってるのはわかってる。


けど、俺は自分の夢を叶えたいんだ

これはチャンスだって思ったんだ。


俺は奈美よりも自分自身の夢を選んだ…


ほんっと最低だよな…


たぶん、アメリカにいったら当分…いやっ、一生戻って来れないかもしれない


だから、今日で奈美と会うの最後になるんだろうな
って思ったら

笑えなくてさ…
暗い顔ばっかしちゃって


ごめんな…
今日ぐらい笑顔でいたかった


今までありがとな
俺のことなんて忘れていいから…

だから奈美にはもう二度と関わらない。


俺以上の人なんていくらでもいるしさ」


そういう秀哉に、あたしは怒りにも似たようなものが溢れて来た…


『ばかっ!秀哉以外の人を好きになれっていうの?

勝手なことばっか言わないでよ……っ』


あたしなに言ってるんだろ
前から秀哉がお父さんの仕事にすごく興味があるのは、知ってたのに…



ほんとうに秀哉のことが好きなら、笑顔でアメリカに行くことに賛成するべきだよね…
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