短編集
「ごめん…ほんとにごめんな。俺だって奈美に他に好きなやつが出来るのは、すげーいやだよ…」


そう誤り続ける秀哉を見てあたしは…




秀哉…
あたし決めたよ


秀哉を応援する


けど……

「あたしのほうこそごめんね…


ほんとはこんなことが言いたかったんじゃないの


あたしは秀哉のことが好き…だから、あたしは秀哉を応援したい


けど、あたしは秀哉が帰ってくるまでずっと待つ


秀哉以外の人なんてありえないもん」


「奈美…俺、スゲーうれしいよ。」

『秀哉っ』

「けど、待たないでほしい。奈美には幸せになってほしい」


あたしはそんな秀哉を見て無性に抱きしめたくなった

がっちりとした体型をした秀哉の肩は震えてた


秀哉…泣いてるのかな?

はじめてみた秀哉の涙…


あたしは本当に胸が苦しくなった


『ねぇ…秀哉、じゃああたし待たない。

けどね、約束がほしい』


「やく…そく?」



『うん…約束っ』

「どんな約束?」


この約束は簡単そうに聞こえて難しい…



けど、あたしはこの約束をこれからの支えにしたいんだ。


じゃないと…あたしの心は壊れてしまうかもしれない


あたしの心は秀哉が思ってるほど、強くないんだよ?


『あのね…………』


「えっ……?」

『お願い。
じゃないとあたし…』


「うん…わかった

約束…な」


そういってあたしと秀哉は小指を絡ませ、


守れるかどうかもわからない約束を交わした


そうして18歳の秀はアメリカに旅立っていった…



あたしは見送りには行かなかった


絶対にアメリカに行くのを止めてしまうと思ったから




秀哉…今までありがと

またね
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