Beautiful Summer Day's




「というか、あたし、お手伝いしなくてよかったんですか」
「いいよいいよ。うち兄弟多いし」
「でも、お世話されてる身ですし」
「由夏ちゃんは責任感強いんだね」

 健吾さんは明るく笑う。その笑顔はあたしにはもったいない。

「それじゃあ、片付け」
「は、はい」
「手伝ってくれる?」
「はい!」

 何かを任されるとあたしはいつもめんどくさい、とかイヤだとか言って逃げてきた。自分から何かをするなんて滅多になかった。

 でも、ここにいると、何かをしていないと心苦しい。

 ここの人たちは、全く面識のないあたしにとても良くしてくれるから。

 だから、今、仕事を任せられたことがすごく嬉しかった。

「よし、じゃあさっさと食べようか」
「はい」

 リビングって言い方より、居間っていう言い方のほうがよく似合う健吾さん家。窓から見えるのは、つまらない住宅街じゃなくて田んぼと畑だ。

 健吾さん家は農家だから、たまたま田んぼと畑が見えるだけで別に田舎ってわけじゃないけど、すごく緑がたくさんに感じる。

 なんだか、新鮮。


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