ユータナジー

なんだよ、それ。

「…お医者さんは、いつ思いだすか分からないって。明日起きたら元通りになってるかもしれないし、このままずっと…。」

三枝の目から滴が落ちた。
その顔を手で覆う。

「三枝、ありがとう。」


三枝が泣いたからか、冷静な気持ちでいられた。

「…記憶を無くしたアイツもアイツだからさ。」


『エネルギーがあるなら、笑う事とか嬉しい事に使った方が良いです』

そう言った彼女は、いなくはならない。



過去ありきの未来。

でもその間には、現在がはいる。




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