ユータナジー
ニ
先輩は駅前で降りて、何故かアイスを買ってくれた。
「寒いのに、なんでアイス?」
「甘いもんは頭に良いんだよ。良いから食え。そして頭を働かせ。」
「先輩は食べないんですか?」
「俺は良いんだよ。頭良いから。」
「ナルシーですね。」
そういうとこ、嫌いじゃないけど。
私は寒がりながらも、アイスを食べた。
「おい、元気になったか?」
「最初から元気ですよ?」
「意味が違う。」
ため息を吐かれるけど、意味が分からない。
先輩は私の方を見て、少しホッとした顔をする。