ユータナジー
教室の階が違うのに、先輩は送ってくれた。
ここまで来ると、先輩まで変な目で見られるのに。
「じゃあな、後輩。また迎えにくる。」
先輩は私を後輩と呼ぶ時がある。
私が先輩と呼ぶように。
「はい、それまでさようなら。」
教室に入れば、クラスメートの視線が当たる。
痛いけど、もう慣れた。
三枝さんの話を相談する友達もいない。
本当は…学校に来る意味すらない気もする。
でも、先輩がいるから。
だから、私は学校に来て授業受けて先輩と帰る。
それだけが生きがいで、それがあるから、今私は生きてる。