ユータナジー





歳月人を待たず。

…合ってるっけ?

「小野塚さん。」

私は先輩の日直当番を待つついでに、校舎裏にゴミを捨てにいった。

呼び止められて振り向けば、三枝さん。

最近、よくこの人に会うと思う。

嫌いなタイプは変わらないけど、最初に会った頃とは会話の数が増えた気もする。

「部活ですか?」

「そう!」

「剣道部、だったんですね。」

私と先輩は帰宅部。

三枝さんは面は脱いでいて、後はそのままこっちに来たみたい。

「休憩中なの。ねぇ、小野塚さん私の相手しない?」

「…はい?」

「私、これでも部で一番良い成績とってるの!」

「…はあ。」

「だから、きっと楽しいよ。中学の部、全国大会優勝の小野塚琥珀ちゃん?」




< 38 / 105 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop