ユータナジー
何故そうまでして、自分の信念を曲げないんだろう。
今は良いけど…これまでもこれからも、何かと不都合になったり、人とぶつかる時があるのに。
…どうしてこんなにも真っ直ぐ人に向いていくんだろう。
顔の擦れ擦れを竹刀が横切る。
「考え事する余裕なんてあるの?」
その真っ直ぐさに吐き気がした。
私はすぐに切り替えて、三枝さんの竹刀に向かっていく。
やっぱり体が鈍っている。
全然動かないし、少し張り合っただけで疲れて息切れが起きる。
けれど、何故か、負けるのは嫌。
中学の部優勝の意地?