ユータナジー

もしかして変な男に絡まれているんじゃ…と考えた矢先、耳に入る会話。

横を通り抜ける一年の女子達。

「死に神って呼ばれてる小野塚先輩が?」

「剣道勝負やってるんだって!高梨先輩の取り合いかな!?」

…はぁ?

思わず声に出してしまうのを止めて、俺は素知らぬ顔ですれ違う。

「三枝先輩、剣道強いよね?小野塚先輩負けちゃうんじゃない?」

その言葉を聞いてから、俺は剣道場に向かった。



取り合い…なんてするはずないだろ。

そう思いながらも、少し心配する。

あの馬鹿な二人だと何するか考えられたもんじゃない。



< 46 / 105 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop