ユータナジー

彼女の武勇伝がまたひとつ増えていたのか。

呆れて溜め息が出る。

「ワンピースかスカートどっち派かって。」

彼女の言葉通りに口に出した。

そこで「起立。」と号令がかかる。
寺島も三枝も前を向いて礼をする。

「デートだね!?琥珀ちゃん、そんな事聞くなんて乙女!」

琥珀ちゃん、と呼ばれるのが嫌だった彼女。
けれど、今は何も言っていない。

馴れ馴れしい…のではなく、慣れたんだと思う。

「ワンピース。」

寺島は断固としてワンピースらしい。

「けど、ワンピースもスカートも足出てんのには代わりなくね?」



< 51 / 105 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop