ユータナジー
偽善からか、それとも彼女を侮辱されたからか。
兎に角、今は将来どうこうと言っていられない。
挑発するように笑った男の前の机を蹴り飛ばす。
三枝の短い悲鳴も聞こえた気がする。
クラスメートの視線が集まるのを感じた。
胸ぐらを掴んだ俺の手は拳は、振りかざされる。
彼女の言葉が蘇る。
“良い事だと思いませんか?”
“喧嘩をしないこと、です。エネルギーの無駄使いですよ?そんなエネルギーがあるなら、笑う事とか嬉しい事に使った方が良いです”