ユータナジー
先輩のあの量じゃ…私も手伝わないと持って帰れないのかな…。
「違うよ。今、隠れてんの。」
寺島先輩は肩を竦める。
「え…誰から?」
小首を傾げて聞くと、三枝さんから答え。
「部活の後輩。ほら、寺島くんはエースだし。私は部長だったからさぁ…色々面倒なんだよね?」
良いのか部長!!
同調するように曖昧な笑みを見せて、私は二人から離れた。
「頑張ってください。」
そんな無責任な言葉をかけて。
彼女の姿を探した。
抱えきれないほどの花束を貰っても、あまり満たされない気がする。