ユータナジー

「ヨシ先輩。」

振り返る。

「先輩ってヨシって名前だったんですね。ずーっとユウだと思ってました。」

悪戯な笑顔を見せる彼女。

…って、おい。

名前だろ?
確かに由って自由の由だけど…。

「お前、相当な馬鹿だな…。」

「私も改めて感じました。」

遠い目をして言う。

俺は花束を持ち直して、彼女の隣に並ぶ。

「ご卒業おめでとうございます。花束、半分持ちましょうか?」

「いや、いい。」

「持ちますよ。先輩は労(イタワ)らないといけないんですよ。」

俺は老人か!?



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