ユータナジー
溜め息を吐いて、三分の一を渡す。
それに満足した彼女は、歩き出した。
「そういえば…どこに行くか決まってんのか?」
「え?……あぁ!全く考えてもなかったです。」
「それはわざとか?それとも本気で忘れてたのか?」
その言葉を無視してバス停に向かう姿を見る限り、忘れていたらしい。
彼女は花束を見ながら、呟く。
「なんか…持ってあげようとは思ってましたけど、少し嫉妬します。」
「何が。」
「先輩には、一番に私が卒業おめでとうって言いたかったのに。」
顔を逸らす彼女。
泣く子も黙る。
いや、アバタもエクボ?