ユータナジー

意味は全く違う気もしたが…まぁいい。

「あ、先輩の家に行きたいです。」

さっきまで逸らされていた顔は何処へいったのか、彼女はウキウキとした顔になる。

何度か呼んだ事のある家。

「…別にいいけど。」

「ママさん、元気ですか?」

彼女は俺の家の母親が好きらしい。
というか、家族が好きらしい。

家に来ると、俺と居るより母親にくっつく。

まるで、カルガモの子のように。

「相変わらず。」

「妹ちゃんも?」

「今日はバイト。」

少し残念そうに俯いた彼女は、来たバスに乗り込む。



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