ユータナジー
都会の空気は汚い。
汚れた空は黒くは染まるけど、星を輝かせることは出来ないらしい。
目を細めて睨みたくなるような色。
「…先輩。」
「なんだ?」
「別れましょうか。」
ジーンズに手を入れていた先輩が、足を止めてこっちを見た。
「ここでいいのか?」
道のことかと思っているみたい。
でも、違う。
私が言いたい事は、違う事。
キョトンとする先輩。
「いいえ。」
「何が言いたいんだよ?」
私は困惑する先輩を余所に微笑んだ。
益々意味が分からないというような顔をする。