ユータナジー
帰路を辿る。
今度は家じゃなくて、水族館とか遊園地とか、もっと楽しいところに行こう。
そうして、彼女の笑顔が見られれば良い。
「魚美味しそう。」って言いそうだな…。
耳をつんざくような悲鳴が聞こえた。
いや、悲鳴ではなく車が止まるブレーキのような。
鼓膜が破れたのかと思うくらい、耳が痛くなり顔をしかめる。
一瞬世界から飛んでいたようだった。
振り返る。
…事故か?
危ねぇな。なんて考えながら、俺は道を進む。
進もう、としたはず。
…背中に走る違和感はなんだ?