ユータナジー

ガードレールの下に黒く紅い水たまりが見えた。

「…琥珀?」

琥珀が横たわっていた。









明日の朝ご飯を買って、家に帰ったら少し勉強しよう。

先輩の行く学校は無理かもしれないけど、努力はしたい。

してみようと思った。

青信号になった横断歩道を歩く。

そこに、白い光が差し込んだ───。


私の身は跳ね飛ばされた。


まるで重力を無視するように。

すれ違った女の子にぶつかって、宙に舞った。



アスファルトに叩きつけられると鈍い痛みが肩や背中に走る。



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